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活動学生による授業アンケート

Good Practice 2017年度春学期

ウエルネスと身体

島崎 崇史(文学部保健体育研究室 常勤嘱託講師)

受賞のコメント

学生達から本講を評価していただけたことは,気恥ずかしくもあり,本当にありがたいことだと感じています。学生達に,感謝,恐縮している次第であります。私の「ウエルネスと身体」では,学生達一人一人が自身のキャンパスライフ,その先の人生を心身ともに健康に,幸せに生きて欲しいという願いを込め,そのために必要だと思うことを伝えるように心がけています。

本講は,実技と講義が半分ずつにより構成されています。具体的な内容については,ウエルネス,および身体知をキーワードとした本講の教科書である「身体のリベラルアーツ」を手掛かりに構成しています。講義では,(1)文化・教養としてのスポーツ(日本スポーツの発展と体罰,人種・ジェンダー・ドーピングの問題,オリンピック・パラリンピックの光と陰),および(2)実生活で活用できる健康・医療の知識(信頼できる健康情報の見分け方,食行動・身体活動,ストレスとの上手な付き合い方)といった内容について扱っています。実技では,(3)身体知のアクティビティ(体組成・体力測定とそこからわかる今と将来の健康,コミュニケーションのアクティビティ,他者への信頼と協力のアクティビティ),および(4)健康づくりのアクティビティ(ウォーキングと気分改善,たたみ一畳でできる体型・筋力維持トレーニング,リラクセーションとアクティベーション)といった内容により構成しています。

具体的な授業の手法の工夫として,講義では問題教材・文章教材・具体物教材・映像教材の充実,毎回のリアクションペーパーに対するコメント返しの時間,および3分程度のショートディスカッションを取り入れ,能動的に取り組んでもらえるように工夫しています。実技では,体育・スポーツという言葉を聞いただけで拒絶反応示してしまうような,いわゆる運動嫌いの学生でも興味を持って取り組んでもらえるように,スポーツやエクササイズ(健康を目的とした運動)という言葉を極力用いず,アクティビティ(目的を持った活動)という言葉を用いて進めるように心がけています。

最後になりますが,本年4月に着任し,右も左もわからないまま,伝統ある必修科目という上智大学の教育の根幹にある科目を預からせていただいた中で,若手の教員のために時間を作り,この科目の辿って来た歴史,理念,展望といった多くの視座を与えていただきました,保健体育研究室の鈴木 守先生に記して感謝の意を述べさせていただければ幸いです。また,平素より教育・研究・社会活動を支えていただいていおります島 健室長はじめ,保健体育研究室の諸先生,および事務の方々にも厚く御礼申し上げます。

学生のコメント

  • 自分に身近な健康についての授業がなされ、自分の生活習慣を変えようと思ったきっかけになったから
  • 先生の説明や話し方が聞きやすかった。プリントも用意してくれて理解が深まった。
  • 生徒との関係性も良く、質問にもきちんと答えてくれた。
  • 自分に身近な健康についての授業がなされ、自分の生活習慣を変えようと思ったきっかけになったから。
  • オリンピックについての授業など、一般教養として学べる部分も多くて楽しむことができた

講義概要

この授業では、身体的、精神的、社会的良好さを求める概念である「ウエルネス(全人的健康)」へのアプローチに必要な科学的知識を理解するとともに、他者・外界とのコミュニケーションや自己表現に欠くことのできない媒体である身体に着目し、メディアとしての身体の視点からアナログな身体の営みを探り、他者とともに生きるための「身体の知」の獲得をめざす。現代のデジタルな知識優先の社会環境下で生きる学生にとって、上記視点から自己のライフスタイルと身体を見つめ直すことは、健康で自由な自己表現を求めて生きる人間の原点を問う作業であり、同時に他者との共生への扉を開くことでもある。

到達目標

  1. 身体的、精神的、社会的に良い状態「ウエルネス(全人的健康)」を獲得するための知識・技術を身につける。
  2. 他者・外界とのコミュニケーションや自己表現に欠くことのできないメディアである身体に着目し、他者と共に生きるための「身体知」を体得する能力を身につける。
単元ごとの目標
  1. ①スポーツと身体・身体文化
    スポーツの意味や歴史、政治や経済、教育との関係について学び、そのあるべき姿や身体をめぐる思想や文化について考察することにより「人間とは何か」や「人間らしい生き方」について探求する能力を身につける。
  2. ②健康のリテラシー
    ウエルネスを獲得する具体的な方法としての「運動」「食事」「休養」「ストレスマネジメント」「ソーシャルサポート」についての科学的知識を学び、巷に広がる言説に惑わされることなく自分自身のライフスタイルを構築し、知識を生きる知恵として実践に活かす能力を身につける。
  3. ③身体のレッスン
    「身体を感じる」と「身体で感じる」ことに挑戦する。鏡に映った身体ばかりを気にするのではなく、鏡には映らない身体にも深く注意を向ける。身体に気づき、「身体をひらく」ことによりあるがままの自己を理解し、心をひらく糸口を見つける。そして、その糸口から外界や他者とのコミュニケーション能力を向上させる。
  4. ④フィットネス
    「環境に適応する」という体力の本来の意味に立ち返り、自分自身の身体の状態を測定して客観的データを得るとともに、運動不足によって生じる筋力、持久力、柔軟性の低下を改善するための科学的トレーニング方法を学習し、体験し、自分にあった持続可能な有意義な運動習慣を身につける。

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