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ニュース 各部門の活動 2021年度

移民の名前に関わる言語問題

主  催:
外国語学部
講  師:
Lisa Fairbrother 教授(外国語学部英語学科)
日  時:
2021年4月27日
実施方法:
オンライン
参加者数:
12名

概要

 第2回ランチタイムフリートークとして、講師からテーマに関する講演が行われた後、参加者間でのフリートークが実施された。講演概要は以下の通り。

 外国人が日本で生活していると名前の表記に関する問題にしばしば直面する。発表者がこの問題に関心を持ったのは、友人のモンゴル系中国人留学生が自分の名前の表記(漢字)は正しくても、日本で発音が北京語でなされることに違和感を覚えていたことがきっかけだった。このように、外国に来て自分の名前でアイデンティティーの問題を感じるケースの他にも、先行研究では外国で名前から採用試験の際に不利益を被ったり、ハラスメントやイジメの対象となったりするケースがあることも指摘されている。このように、外国人は名前の表記によって社会的にさまざまな不自由や生きづらさ、そして疎外されているという感覚を日々の生活のなかで抱いている。本発表はこうした名前と社会の結びつきの問題を、とくにテクノロジーの進化(ネットや電子システム等)に焦点を当てながら論じるものである。

 まず一番大きな問題として、インプット(入力)の問題が挙げられる。パソコンのシステムやプログラミング上の制約から、長音(ー)や小文字の入力が出来なかったり、字数制限のためにフルネームを入力できなかったりするケースがある。また入力できたとしてもフォント(全角・半角)の大きさの違いによって別人と認識されてしまうケースや、また日本語で入力した際に自動的にローマ字変換されてしまい正しいスペルで登録できないといったケースもある。

 またその他にも、役所や金融機関といったinstitution(施設/制度)側の問題も挙げられる。例えば、登録の表記の仕方が異なったり(銀行Aではローマ字表記、銀行Bではカタカナ表記)、ファーストネームとファミリーネームとミドルネームの順序がバラバラに登録されていたりするために、別人物と認識されてサービスをうまく受けることができないといったことがしばしば起こりうる。

 日本で生活している外国人は、こうした「疎外」にしばしば直面するので、事務的・時間的な負担だけでなく、精神的なストレスも日頃から強く感じている。われわれは、テクノロジーの進化が一方ではこうした問題を意図せずに助長させているという意識をしっかりと持ち、制度を上手にコントロールして差別や弱者を生まないよう努力する必要があるだろう。

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