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ニュース FD委員会の活動 2025年度

FD講演会「上智大学における「基盤教育」とは?」

※本講演会は、2025年度新任教員研修会も兼ねる。

日時: 2025年 4月 8日(火)15:00~16:30
場所:2-1701会議室
講師:武田 なほみ 教授(基盤教育センター長)
    河野 至恩 教授(基盤教育センター思考と表現領域長)
   松村 康平 助教(基盤教育センターキリスト教人間学領域)
参加者:64名(教員:45名、職員:19名) うち、新任教員31名
主催:FD委員会
内容:
本講演会は、2025年度新任教員研修会を兼ねた。上智大学で行われている「基盤教育」とは何か?というところから始まり、本学学生全員必修科目である「思考と表現」及び「キリスト教人間学」について取り上げ、各授業でどういったことをテーマに授業を行っているのかの紹介を行った。「キリスト教人間学」のテーマでは、実際の授業で行われているディスカッションの体験も行われた。
まず、武田先生より上智大学の「基盤教育」の概要説明が行われた。本学の「基盤教育」のコンセプトは、社会変化の激しい時代を生きる学生一人ひとりが、自らの専門分野の知見を深めるだけでなく、生涯学び続けるための「学びの基盤」を築くことである。本学の「基盤教育」は2022年度より導入され、ワンキャンパスという特色を生かし、全学共通科目・専門科目・語学科目との有機的連携により学びを深めていくことが可能となった。この有機的かつ一貫的な全学共通科目の学びを通して学生が生涯学び続ける基礎体力を身につけることで、「他者のために他者とともに」を生きる人として、よりよい世界の実現に自分自身を寄与するための基盤づくりを行っていることも強調された。新入生は入学前に準備科目として「学びを学ぶ」をオンデマンドにて受講し、入学後に全学共通科目を受講する。全学共通科目にはコア科目群と展開知科目群があり、コア科目群の中核として人間理解・思考の基盤という二つの柱がある。そのもとに人間理解には二つの必修科目、「キリスト教人間学」と「身体のリベラルアーツ」の科目が存在し、思考の基盤には「思考と表現」と「データサイエンス概論」の科目が存在している。展開知科目群には初年次必修科目として「課題・視座・立場性を考える」という科目が設置されている。さらに、授業外の自律的な学びの支援として2022年度に設置されたライティング・ラボ、データサイエンス・クリニックが紹介された。
続いて河野先生より、「思考と表現」科目について概要と取り組みが紹介された。本科目は2022年に全学共通科目の中の初年次必修科目の一つとして新設され、基盤教育センターの特任助教が担当している。また、初年次のみならず、選択科目や高学年向け科目としても受講可能となっており、学生自身の興味に応じて二年次以降もその内容を深めることができる。シラバスに沿って紹介された本講義の概要は、「クリティカル・シンキング」「アカデミック・ライティング」この2つを中心的な概念として養っていくことである。「クリティカル・シンキング」では、自らの考えの前提を疑った上で、他者の思考や多様な情報に向き合いながら自分の考えを組み立てて表現するプロセスを重視しており、「アカデミック・ライティング」では、互いの文章を読み、批評し合いながら推敲するというプロセスを重視している。また、グループワークやディスカッションの時間も多く取る等、インタラクティブな内容への工夫が行われていると報告された。授業内の具体的な取り組みとして、図書館利用入門や「中間課題」「レポート」の2本の執筆課題、その他のトピックス紹介などの取り組みも紹介された。さらに、「ライティング・ラボ」についての説明もあり、ここは学生の論文を添削する場ではなく、学生が「自律した書き手」となることを支援する場であるとの紹介もなされた。徐々に認知度も上がっており、利用は設置以来増加傾向にあることが報告された。
最後に、松村先生より、「キリスト教人間学」科目について概要と取り組みの紹介、授業体験が行われた。当該科目は他者のために他者とともにより良い世界を作っていくための基盤、まさしく「人間とは何か」という問いたての中で構築され、実施されている。シラバスに沿って紹介された本講義の概要は、キリスト教の人間観からみた世界を共有しながら深め、自分自身がどのように生きるのか、その意味や価値を探求する、あるいは他者との関係性・他者への想像力と感受性・他者のための行動を喚起することである。具体的には、「他者のために、他者とともに」生きたイエス・キリストを人間のモデルとする「全人的な人間観」を学ぶ。また、創立100周年の際に教皇フランシスコが上智大学に訪問されたことなどキリスト教人間学の歴史と展開について、上智大学はつねにヒューマニズム的・キリスト教的・国際的というアイデンティティによって知られてきたことも説明された。「キリスト教人間学」科目には様々な科目が開講されており、初年次は必修科目として「他者のために他者とともに」を受講するが、二年次以降になると選択必修科目として哲学や心理学・宗教学等ともかかわるテーマを受講することが可能となる。科目についての説明後、「他者のために、他者とともに」第2回の授業で行われる、キリスト教ヒューマニズムとキリスト教的人間観・他者のための存在としてのイエス・キリストをテーマに体験授業が行われた。周りの人と4人グループを作り、テキスト「善きサマリア人のたとえ」を読んだ上で自分が「考えたこと」「感じたこと」をまとめてグループでディスカッションし、その後他の人のシェアを聞く中で「考えたこと」「感じたこと」をまとめてディスカッションするという流れで進められた。実際の授業でも、授業後半にこれまでシェアされたことについて、グループでの共通点・話題の方向性・問題意識などを考えて、シェアしつつ議論をまとめるディスカッションを行った上で、たとえ話とイエスのメッセージ性が講義されるとまとめられた。

以上

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