ニュース FD委員会の活動 2025年度
FD講演会「2024年度大学院授業アンケート・2024年度秋学期大学授業アンケート集計・分析結果報告会」
日時:2025年 4月 11日(金)13:00~14:00
場所:Zoomによる開催
演者:IR推進室
参加者:38名(教員:24名、職員:14名)
内容:
当講演会の目的は、授業アンケートの回答データの集計・分析結果について報告を行い、参加者の本学の授業への理解を深めること、教員の授業実施に役立つ情報を共有することであった。今回報告対象となった授業アンケートは、2024年度に実施した大学院授業アンケート及び、2024年度秋学期に実施した「大学授業アンケート」であった。
報告された内容は、以下のようなものであった。(一部抜粋)
<大学院授業アンケート>
・平均回答率は17.5%、最も回答率の高い理工学研究科でも25.2%と低い傾向にある。
・応用データサイエンス学位プログラムは2/3が社会人学生、実践宗教学研究科・総合人間科学研究科・言語科学研究科の社会人比率も比較的高い。
・授業評価・自己評価・満足度に関して5点満点中4点以上のものが多く概ね良好。しかし、「大学院の授業が所属している専攻のCP(カリキュラムポリシー)に沿っている」について「全くそう思わない」という回答が2割強、「大学院の奨学金制度に満足している」について「全くそう思わない」「あまりそう思わない」という回答が2割弱と不満がみられる。
・CP(カリキュラムポリシー)に沿っているかどうかは研究科毎に大きな差があるが、引き続きカリキュラムポリシーに従ったカリキュラム設計を行うことやカリキュラムポリシーの見直しが課題として残る結果となった。
・修了後の予定進路につき、研究科毎のバラつきはあるものの、神学研究科・実践宗教学研究科と博士前期課程の進学意向が高い。また、同設問「その他」の多くは現職の継続で社会人学生とみられるため、次回以降新たに選択肢に入れることも検討した方が良いのではないか。
<大学授業アンケート>
・例年同様、必修授業と対面授業の科目の回答率が高く、学部間でみるとかなり回答率に差がある。
・授業の評価は5点満点中ほとんどが4点以上となっており全体的に良好。特に「この授業に対する教員の意欲を感じた」「シラバスに沿って実施された」のスコアが非常に高く、特に「この授業に対する教員の意欲を感じた」については2022年度から過去4回実施の結果全てに共通して言える結果である。
・「アクティブ・ラーニングの機会」は毎回低く授業毎のバラつきが大きいものの、過去4回実施の結果を比較すると、この設問の伸び率が最も高い。
・設置基準上必要な授業外学修時間の3時間を超えている授業は全体の12.6%に過ぎず、改善の余地が高い。
・授業の満足度については学部間・学年間の差があり、学年が上がるにつれて満足度も高くなる傾向にある。高学年になるに従って自らの意思で選択できる科目数が増えることが要因の一つではないか。
・「教員の説明が分かりやすかった」が授業の満足度に影響し、「知的に刺激され深く学びたくなった」かが到達目標の達成に影響する。
・ウォード法を用いてクラスタ分析を行った結果、アクティブ・ラーニングの実施が、高評価クラスタの必要条件であることが分かった。
「アクティブ・ラーニングの機会」が多く「説明が分かりやすい」と高評価クラスタとなり、「アクティブ・ラーニングの機会」が多くても「説明が分かりにくい」と中評価クラスタとなる。
また、「アクティブ・ラーニングの機会」が少なくて「全体の満足度」が高いと中評価クラスタとなり、「アクティブ・ラーニングの機会」が少なくて「全体の満足度」が低いと低評価クラスタとなる。
・生成AIにより自由記述を要約したところ、良い点・悪い点についてそれぞれ5カテゴリに分類された。
最後に質疑応答の時間を設けたところ、「高評価型の学生は授業外学修を行っているのではないか」や「授業によって授業外学修時間の影響が変化するのではないか」といった「授業外学修時間」についての意見が多く、今後更なる検討をしていく必要があると感じた。
以上